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ファットチューズデイサウンドのブログです。

music review

Daft Punk / Random Access Memories

音楽を聴いて鼻血が出るなんてことは人生に何度もあることではなく。また、そんな体験なく人生を終える人の方がほとんどな訳だけれども。Daft Punk の新譜 Ramdom Access Memoriesなんですけどね、、、マジ鼻血が止まんねえのです、コレ。


DF

Daft Punk、、、フランスのロボットロックのユニットでーなんて語るのは野暮っつうか、まあ知らなきゃググれっつうか、もういいや。ミックスの世界で言うと、熟練のエンジニアだけがこっそり使っていたサイドチェーンコンプを使ったダッキングテクを前面に出したキックの4分打ちで世界をぶっ飛ばした人達。おかけで世のDAWはみんなサイドチェーン機能が付いた(笑)。それだけじゃないけど、とにかくセンスが良くて手法やアプローチ自体全部ひっくるめて今のエレクトロミュージックを基礎を支えてる。いまやその影響力は冗談抜きでビートルズやヘンドリックスと並んでるって意見に異論は無いと思う。

で、そんなことは真剣に音楽制作に取り込む人達にとっては常識レベルなのでいまさらどうでもよくて。言わせてほしいことは、このレコードが今世紀最高のレコードだということなんだわ!

彼らの音楽はもともと70`s のファンク時代のハービーハンコックあたりがベースになってる気はしてたんだけど、本レコードでは今までのサンプリング、打ち込みの代わりにナイルロジャース、オマーハキム、ネイザンイースト、ポールジャクソンJrとか出てきて、ハンパねえグルーヴ出した生演奏とアナログシンセをめちゃいい感じで絡ませたディスコティックに締めてて。
収録に、NEVEコンソールからアナログマルチを回してー、デジタル取り込んでー、エディットもすげー丁寧にして。そんでミック・グゾウスキーがミックスにでてきちゃってなんてもう夢みたいなことしてる上に、曲もアレンジもセンスいいしさー、散々聴いてきたCD品質のはずなんだけど死ぬほど音よくってーって、もう「ヤベー」んだよ(笑)!!!

あ、また鼻血が(笑)。


行ったきり帰ってこれないアメリカーナとは違うハイセンスなヨーロピアンの自制心と途方もないレコード制作への情熱。そして超一流プロフェッショナルのスキルと感性で出来上がった傑作なんでないですか。もうグラミーアワードあげちゃいましたけどね、自分の中で。

あと、某有名レコーディング雑誌に特集があって、久しぶりにめっちゃワクワクして読んでだねー、、、ってさ、それ自体20代にもどった感じで笑えて。

とにかく書ききれないほどいろいろな視点でインスパイアされたし、やっぱり音楽っていいなって心底思えたレコード。やっぱり情熱があればね、まだまだ作れますよ、すげえいいレコードは。


P.S. もう2013も半分でしたね。更新してないけどちゃんと仕事してますよっと。皆様あけおめでしたー、あはは。

JEREMY PELT ; The Talented Mr.Pelt

さて、絶賛国難中ってことになっていますが、被爆&自粛で経済自殺を煽っているメディアをシカトして私は紙や電池の代わりに新しいマイクとたくさんのCDを買いました。そのCDの中から一枚をピックアップして年一度あるか無いかの価値ある(?)CDレビューです。こいつはジャズトランペット奏者のJEREMY PELTの最新レコードThe Talented Mr.Pelt。

MrPELT

ジェレミーペルトは若手の古典スタイルのトランペッターで好きでJAZZを聴いている人にはまま知れた方。ただ新録JAZZを好きで聴いている人口が決して多くない為、一般的には当然無名。古典をとてもいい感じに演じ切れているのこのレコードはとても楽しくて好き、だけど残念ながら今回のポイントはジェレミーがいかに無名の天才ペッターかと言う話ではなく、この最新作を録音、マスタリングしたルディヴァンゲルダーの話。

ルディーヴァンゲルダーを簡単に言うと音楽好きなら誰でも知ってるJAZZレーベルBlueNoteの録音のほとんどを行った人で、同時にレコーディングエンジニアという立場のひとつの理想を確立した人であると思う。こんな時代なので割合減っていると思うけどレコーディングエンジニアの半分はJAZZが好きと言っても過言ではない。というか正確にはレコーディングエンジニアがJAZZ好きなのではなくJAZZ好きがルディーヴァンゲルダーに憧れレコーディングエンジニアを目指す(笑)。

で、どの辺が理想的かというと、BlueNoteのレコードは兎に角“超自然、音がいい、カッコイイ”と言わせる魔法があってJAZZを代表するサウンドを持ったレーベルなのだけど実際はとても小さい組織で録音はルディヴァンゲルダーの家で行ってた。氏が良いと思った手法で音を録るのだけどBlueNoteレーベルの人気と前後してその独特の音に評判が付き、自前スタジオを造り、大手レコード会社のJAZZ録音を受け持つ様になり、そのままJAZZの歴史に名プレーヤーと合わせて重要録音技師としてその名を刻んで今に至る。感性と技術による完璧なプロデューサーエンジニアのサクセスストーリーを体現している。

さらにもうひとつ魅力的なこととして、BlueNoteのレコードジャッケットにはスタジオ録音風景写真と言うものがひとつもないのは家で録音していたので大手レーベルの様なデラックスなスタジオ写真絵が撮れなったことに他ならなかったのだろうけども、評判になった録音方法がバレないメリットも見つけられたようでその後も秘密主義を貫き未だ録音方法は一切空かされてない。おそらくショップスのTUBEマイクをトップに使っているだろうとか、ヴィンテージコンプで有名なフェアチャイルドにBlueNoteからマルチコンプの受注履歴があったとか、地味な情報はあるけど実際はスタジオに入ってもダミー機材だらけで本当に何を使っているのかはよくわからない、らしい。そうゆうところもとても夢があって自分は好き。

ルディヴァンゲルダーの最新録音とはどんな音なんであろうかと楽しみにこの"新譜を探して買った"のだけど現代レコーディングになった今も変わらずとても彼らしいトーンが健在であったことに関心し、そのオリジナリティーとスタイルに多くの教訓を感じずには得られませんです。JAZZ好きエンジニアは一聴あれ。

やっぱり人が見える音楽作品は楽しい。

あと、新譜ってもう探さないと買えないんですね(笑)

Jack Johnson _ Sleep Through the Static

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まったくやる気が(書く気)がないのでわ?、と言うほど書いてない適当なCDレビュー。書かねばいけないと思うレコードが存在してるので書きました。ジャックジョンソン。どこまでベタですか私。

ジャックジョンソンには以前にも“なんじゃこの音のいいレコードは!”と、やられていてまして。
今回ばかりはのけぞり、そして椅子が倒れました。

理想。

といったものは存在していたのですね。

恥ずかしながら私も、こうゆうの音のレコード作りたいす。
聴いた次の日、NEVEの5042オトナ買いしたんですけどね。

完全なテープ録音のレコードでデジタル直録では絶対出ない下方倍音が死ぬほど気持ちいいです。
あと100%ソーラーエネルギーで作られてますって書いてあって。屋根で作られた電気そのままスタジオに突っ込みますか…変態です。
トーキョーデンコちゃんより数倍キレイなのは間違いないですね。
容姿の話ではなく。

ナチュラルなミックスで曲に良さ、JJの歌、ミュージシャンの
演奏のすばらしさが際立ち何度も何度も聴けます。

最高すわ。

まー、アコースティックなレコードなので2ビットの解像度はあれば成り立つ音楽が好きな人にはあまり価値はないですけどね。

私にとっては21世紀にも良いものは作れるぞなんて励みになる近年最高のレコードのひとつです。

山崎まさよし transition

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レコード語るとか言いつつマリーナショウ以来ひとつも書いていないmusic reviewですがやっとでました。
何にしようかと思いながら山崎まさよし氏です。

何気にワタシのリファレンスCDであり、曲、歌、ミックス音質、トータルに仕上がり含め大好きで何百回聞いたかわからないです。なけなしの予算でどうすればこのクオリティーに持っていけるのかずーっと考えていました。

曲、演者のすばらしいパフォーマンスはもちろんのことながらやわらくて、ハイファイ、ファットでタイト、そしてダイナミックであります。ワタシが続ける限り追求し続け、成したいすべての要素がそろっています。しかも邦楽っ。

こんなすげーエンジニアは誰やねんっと思ったら全くの無名のアメリカ人。おいっ。

世の中は広いであります。

昔、レコ誌で特集があったんですがそのときの記事は今でも持っています。
すべてアナログマルチだそうです。コンソールはNEVE VRだそうです。
すばらしいヴィンテージアウトボードを使ってミックスされたそうです。

さて。逃げましょうか(笑)。

いや、それくらいワタシの現実から遠い制作環境、過程がありますね。
つまりデジタルを使わない現在一番お金の掛かる制作方法。
しかしながらどうにかこうにか負けずに挑戦したが故に身につけたスキルは数知れないのも確か。
上質のアナログ機器とコンピュータ、デジタルをフルに活用してその『感じ』を再現する訳ですけどもそれでもやっぱり相当な時間とお金かかってます。
そこそこいい線イケるようになったと思うけどしかしコレまだまだ志半ばです。

このところ積極的にCD漁ってないとこもあるけど残念ながらこれ位良いサウンド(好み?)のレコードCDは滅多にお目にかかれません。
音楽不況にこのご時世、予算が出なくてとかでこうゆうのもっと少なくなっていくだろうね。

とりあえず自分はカミの啓示とかでもあったことにしてマイペースでがんばりたいす。



Marlena Shaw _ who is this bitch,away?

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マリーナショウの死ぬほど有名なレコード。
ミュージシャン主導的なレコードの中でも至高と呼べるすばらしさです。

ライナーノートみたいなことは専門家に譲るとして、まま聴きましょう。
文句のつけようのないマリーナの歌。独壇場のデビットT、シンプルな曲をドラマチックに煽るチャックレイ二ー、ハービーメイソン、ラリーカールトン、、、なんか語るのあほらしくなってきます。

ミックスはとてもシンプルです。ですが流石は70`s。そしてBLUE NOTE。めちゃ音いいです。ダイナミクスのまとめ加減がすばらしいです。すばらしいミュージシャンの出音をただナチュラルにならべているようでしっかり曲の流れをコントロールしているように見受けられます。理想的だなーと思います。

そんな理想的なミックス。悲しいことにこのままマネても現代にっぽんでは歌が小さいと言われるでしょう。実際、この間高速の車の中で小音量で聴いていたらこのダイナミクスが裏目に出て何やってるのかよくわからなく聞こえていました。

多くの無関心な人に"曲を"伝えるためにはやっぱりある程度の音圧でしっかりまとめることも必要なのかなとも思いながらもこのレコードで"曲ミックス"をしたらもっとつまらないものになってはいたでしょう。

せめぎ合いですね。正しい意味での適当が大事です。

そんなマリーナショウでした。
以外と知らない人はフツーに知られてないレコードでもあるのでこころあたりのある方は明日にでも買って聴いてください。
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