インナーチューブオーディオのサムシングなるサミングミキサー。そうです、ミックスバッファーです。この手の機器って最近人気下火な気がするけど、ウチでは核です。

Inner Tube Audioは比較的最近のメーカーでこれまた日本ではあまり有名ではない気がします(私こうゆう機器使うの好きみたいで)。フラグシップにステレオで100万円を超える超高級な回路のTUBEコンプとか作っていてスペシャルな真空管機器メーカーと認知されています。これはそんな高級メーカーの高級なサミングアンプ。

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音どうかというと、言わずと最高です。『8chのアナログ信号混ぜるだけの機器がいくらすると思ってんの』と、思えばトーゼンです。このメーカーは内部回路は公開しておらずはGT管使ってスペシャルに作っているらしいことしか知りません。トランス入力だった気がするけどあんまりそれっぽい感じはせず、クリーン、ナチュラルでリッチな倍音がただただ美しいす。

で、も。
ハイサンプリングでミックスすれば内部ミックスで十分じゃないの?
と、聞かれることがあるので参考までに私見を語ります。

内部ミックスが出来る出来ないで言えば出来るけど質もミックスも違う。
一時期、自分のミックス技術もまとまって来たのでと、24/96DAW内部ミックスを行っていました。仕事もスムースで最高!まあ腕だな。なーんて。でも、ある時ふと自分が過去に24/48アナログで混ぜてた時の音源聴いたら、、、なんて音がいいのだ!と過去の自分に惚れました(笑)。
2秒後、冷や汗かきましたけど。

ハイサンプリングセッションの効能は各トラックの情報量が多いことではなくデジタルの折り返しノイズを可聴外に飛ばすこととDAW内部ミックス時においてのヘッドルームが増えることにあると思ってます。
よってたしかに24/96くらいあれば内部ミックスはそこそこ使い物になり負荷と利便性のバランスが良いと思うけど間違ってもアナログの領域に比べれば大したことない、全然。

下世話な情報量の24/96トラックが並ぶより32、44.1、48kのトラック(多分昔の1トラックあたりの情報量って32kくらいな気がする)をがSRCでDA時に192にアップサンプリングしてアナログで混ぜた(折り返しノイズと内部飽和をなくす)ほうがかっちょよく抜けのいい2ミックスが作れるのでわ?と、思ってる今日この頃。

脱線したけど、少なくとも洋楽のTOP40の仕事してる奴に内部ミックスのサウンドで十分だぜなんて言ってるのアホはいない訳で。音で負けたくなきゃ負けない道具と負けないスキル、手段、イマジネーションを模索するしかない訳なのだよ。なー

PS
後日、テックエンジニアの方とこっそり中をあけてみたとこ。なんだこれーすげーと感嘆が。ちょー厳つい入力トランスがモールドされて8基。今時まず見られないXXXXと思われるモールドされたミックス部。GT管4本にさらにごつい出力トランス。ボリューム部はマスタリングに使えるくらい良いものが使われてるらしい。おめーコレいくらで買ったんだと聞かれ"XX万円す"。おまえはラッキーだと褒められました(笑)。この一件によりInnerTubeは相当オールドスクールな変態集団だということがわかりました。音最高だったけど出音が良いものはやっぱり中身も良いとのことでした。ちゃん。