phat tuesday sound news & more 2010

ファットチューズデイサウンドのブログです。

SPL 2Control

SPLのモニターコントローラーは2Controlです。アクティブモニター時代に台頭したいわゆるパッシブプリアンプ&モニターセレクター。モニター環境の要の機器となると見る目、聴く耳もシビアにならざるを得ませんが、さて。

SPL2C


SPLはドイツの有名なプローディオメーカーなんだけど日本でのブランドとしての位置付けはいまいちサブっぽい扱いな気がする。チューのも正統派なプリアンプやEQ、コンプなんか作っているもののそれらの機器よりトランジェントデザイナーやバイタライザーなど裏技隠し玉的機器にヒット製品があることに他ならない。今じゃ皆プラグインでよく使われているものばかり。

そんなSPLだけれども個人的にはやっぱ遊びのないドイツ製で、EURO圏でタフなアナログ機器を作ってるメーカーと言えばってそれって感じのイメージ。基本音のカラーはアメリカ製みたいにバカっぽくなくて、イギリス製みたいに煮詰まってもなく素直なファット&ハイファイを地で行く感じで実は理想(英米)と現実(日本)に立つ?自分が見据えるべきオーディオイメージに一番近い音をブランドカラーとしてる。カルテと別件バウアーしかドイツ語を知らない僕が一番シンパシーを感じる欧米感性が結局ドイツなのかと思うと笑える。

さておき、BenchmarkのADC1&DAC1に変わってノリで入れたUniversalAudio2192が純粋なAD/DACだったもんで急遽その代わりにモニターコントローラーが必要になったのが経緯。Benchmark DAC1はやっぱ優秀でしばらく代用が見つからなくてよっぽど買いなおそうかと思ってたところこのSPL 2Controlがずっと使ってきたみたいに馴染んだ。とてもよろし。壊れたらまた買うだろうくらいお気に入りになりました。

ちなみにヘッドホン出力の脇にあるCrossfeedというボタンでヘッドホンでもリアルスピーカーを鳴らしているようにモニタリングできるとある機能がなかなかそれっぽいステレオイメージが拾えて、面白く便利ですが!これでヘッドホンによる秀逸なステレオミックスが行えてしまうようなことはおそらく無理です。ささやかな夢は砕いておきましょう、あはは。

SPLは良いアウトボードをたくさん出しているので機会見て導入してみたいなあ、特にマスタリング系のハイエンドEQ、、、なんつて。


JEREMY PELT ; The Talented Mr.Pelt

さて、絶賛国難中ってことになっていますが、被爆&自粛で経済自殺を煽っているメディアをシカトして私は紙や電池の代わりに新しいマイクとたくさんのCDを買いました。そのCDの中から一枚をピックアップして年一度あるか無いかの価値ある(?)CDレビューです。こいつはジャズトランペット奏者のJEREMY PELTの最新レコードThe Talented Mr.Pelt。

MrPELT

ジェレミーペルトは若手の古典スタイルのトランペッターで好きでJAZZを聴いている人にはまま知れた方。ただ新録JAZZを好きで聴いている人口が決して多くない為、一般的には当然無名。古典をとてもいい感じに演じ切れているのこのレコードはとても楽しくて好き、だけど残念ながら今回のポイントはジェレミーがいかに無名の天才ペッターかと言う話ではなく、この最新作を録音、マスタリングしたルディヴァンゲルダーの話。

ルディーヴァンゲルダーを簡単に言うと音楽好きなら誰でも知ってるJAZZレーベルBlueNoteの録音のほとんどを行った人で、同時にレコーディングエンジニアという立場のひとつの理想を確立した人であると思う。こんな時代なので割合減っていると思うけどレコーディングエンジニアの半分はJAZZが好きと言っても過言ではない。というか正確にはレコーディングエンジニアがJAZZ好きなのではなくJAZZ好きがルディーヴァンゲルダーに憧れレコーディングエンジニアを目指す(笑)。

で、どの辺が理想的かというと、BlueNoteのレコードは兎に角“超自然、音がいい、カッコイイ”と言わせる魔法があってJAZZを代表するサウンドを持ったレーベルなのだけど実際はとても小さい組織で録音はルディヴァンゲルダーの家で行ってた。氏が良いと思った手法で音を録るのだけどBlueNoteレーベルの人気と前後してその独特の音に評判が付き、自前スタジオを造り、大手レコード会社のJAZZ録音を受け持つ様になり、そのままJAZZの歴史に名プレーヤーと合わせて重要録音技師としてその名を刻んで今に至る。感性と技術による完璧なプロデューサーエンジニアのサクセスストーリーを体現している。

さらにもうひとつ魅力的なこととして、BlueNoteのレコードジャッケットにはスタジオ録音風景写真と言うものがひとつもないのは家で録音していたので大手レーベルの様なデラックスなスタジオ写真絵が撮れなったことに他ならなかったのだろうけども、評判になった録音方法がバレないメリットも見つけられたようでその後も秘密主義を貫き未だ録音方法は一切空かされてない。おそらくショップスのTUBEマイクをトップに使っているだろうとか、ヴィンテージコンプで有名なフェアチャイルドにBlueNoteからマルチコンプの受注履歴があったとか、地味な情報はあるけど実際はスタジオに入ってもダミー機材だらけで本当に何を使っているのかはよくわからない、らしい。そうゆうところもとても夢があって自分は好き。

ルディヴァンゲルダーの最新録音とはどんな音なんであろうかと楽しみにこの"新譜を探して買った"のだけど現代レコーディングになった今も変わらずとても彼らしいトーンが健在であったことに関心し、そのオリジナリティーとスタイルに多くの教訓を感じずには得られませんです。JAZZ好きエンジニアは一聴あれ。

やっぱり人が見える音楽作品は楽しい。

あと、新譜ってもう探さないと買えないんですね(笑)

AVID Pro Tools HD 8

AVID Pro Tools HD 8 Accel2、業界標準DAWシステム。昨年リニューアルの際、何気に導入。

PTHD

ウチは長いことSamplitudeがメインだったのですが独特の柔いカラーがあるので硬めの音のDAWと使い分けたい欲求がぼちぼちあって、結局迷った挙句消去法でProToolsHDになりました。業界標準DAWにたどり着くまで10年かかりました。あはは。

さて、PTHDのDSPはほとんどトラック走らせることに使っており。ミックス時にあまりTDMプラグインを使わずほとんどUAD2プラグインで完結します。UAD2はHD Accelより全然速い上、ウチはUADプラグインはほぼ全部持っているので全然不都合なし。既に欧米でPTHD+UAD2がスタンダードになっているという時勢を知った上で導入したのだけどおもっった以上に快適でいいかんじ。

I/Oも純正じゃなくLynx Aurora16 w/LT-HDオプション。Lynx Aurora16は持っていたのでLT-HDオプションだけで対応。と、言うかそういえばLynxを選んだ時点でPTHDは想定内だったかと。192i/Oよりも安いけど音は良いよっと。

過去にディスってたアマツールスことdigidesignのPTLEと違い、流石HDは世界のエンジニアのフィードバックを元に発展してきたDAWシステム。エンジニア脳よくわかってますな、昔より音も良いし、使いも易し。

やっぱり使うなら、アマツールスではなくプロツールスにしましょう。
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