phat tuesday sound news & more 2010

ファットチューズデイサウンドのブログです。

Harmonica Creams / 「in+out=sea / インナウトシー」

知らない人にはお知らせしたいバンドのレコードが出たのでおしらせ。ハモクリことハモニカクリームズ。ケルトとブルースという日本において大変マニアックな音楽のトッププレーヤー達がこれらを融合させるというさらにマニアックなテーマの下、活動しているバンド。と、まあここだけ聞くと途方もないアングラ感がドン引きを誘うけれども、今日び感じることの少ない斬新なオリジナル性と安定感のあるトラッド感との境界感がフツーにカッコええバンド。

hamocre2nd
in+out=sea / インナウトシー

で、ファーストから手伝っている彼らですが、そのオリジナル性と国内屈指の技術でもってあれよあれよとEUROのケルト音楽の世界大会で絶賛優勝。逆輸入的に人気が出てきたところにリリースされる待望の2ndという訳。


ジャンル的にはワールドミュージック枠になるし、楽器も全部アコースティックなのだけど、実際は、広域ロック、クロスオーバー音楽の感覚で聞いた方がおもいろいバンドなので、そしてまた誰もチャレンジしたことのない音楽ということで、そこいらいまどき聴くことの無いサウンドになりましたよっと。

hamocre1st
Analyse de toucher / 触感の研究

個人的にも好きなバンドなので興味がでた方はファースト「Analyse de toucher」とあわせて聴いてみてくださいね。でわでーわ。

Josephson Engineering C617 set

JosephsonC617set。アコギ収録の最強マイクロフォンとの言われるそれ。バイオリン/フィドル収録についてもあれこれ詰めると話題に出てくる。フォーキーな音楽ではキラーマイクとされているものなんだけどもちろんいつもの通り日本ではじぇーんじぇん無名。ってゆうか、知ってても誰も現物みたこと無い、触ったことない(笑)

実はー、今後の長い人生のお供にと、ド定番Soepes CMCを買うつもりだったのだけれども、、、いつものあれでつい魔が挿しちゃったんですよね。あーあ。

C617


Josephson
は、測定用マイクを作っていたりするマイクメーカーなんだけど、このC617のほか、スティーヴ・アルビニと共同開発をしたスネア、タムをあたりを収録するサイドアドレスマイクe22sが有名だったり、他にもManleyのリファレンスマイクとかのカプセル供給も行ったりとかで、地味だけど尖ったマイクを揃えているブティックメーカーなイメージですね。熱心なエンジニアならみんな知ってる、でもやっぱり日本ではまず見た事ない、まーそんな感じ。

このC617は、48vファンタムの供給を受けて内部200v(!)に昇圧して内部FETを回路をドライブさせているんだそう。みんな大きい数字には弱いのです。よく知らないけどおかげで位相特性が半端なくいいマイクなのです。


さて、レアなこのC617、アコースティック楽器に使うんだけども、面白い。アコースティック楽器の収録は、大抵、空気感、エアー、エコ、ナチュラル。自然、いっぱい、富士山みたいな雰囲気を掴みに行くことになるんだけれども、このマイクはこれらを、たぶん変態的な位相特性によるものと思うけどぎゅっとフォーカスを崩さず収録することができる。アコースティック楽器の自然さを保ったままフロントに立たせることができるので、下手にEQ、ダイナミックス処理にしなくて良いのです。アコースティック楽器に処理をすると楽器の音色やタッチが変わってしまうのでできるだけ避けたいんですが、とにかく用途を間違えなければそのまま使えてアコースティク楽器美味しさをそのまま落とし込むことができるのです。そーこーが、その手の作品つくりには最強と言われる所以なのですね。


ちなみに同じ、あるがまーま無指向マイクのEarthworksではこのようには行きません。よくも悪くも楽器の音もエアーになじんでしまうので似たような立たせ方するのであればやはり処理によるつくり込みが必要になってきます。結果よければすべて良しですが、さらに本来の音からは遠のいてしまう、、、ディフォルメでいいなら単一指向のマイクで録ってればいいじゃんと枝葉末節な話となってしまう訳ですね。


なんしか、そんな難儀な事柄とさよならできるところがC617のいいところ。バイオリン、フルート、オカリナのような楽器でもバキバキのバンドオケの上でもスルっと乗っかります。さらに控えめなEarthworksと組み合わせるとより立体的に収録できてもう言うことナッシング。


人もマイクも適材適所(笑)。いいマイクは良いよねー、よきよきに。


Soundelux ifet7

サウンデラックスのifet7。ウチのスタンダードFETマイクこと超お気に入り。またセトがウサンくさーいマイク出してきたぜーと眉をひそめられる前に紹介しておきます。

ifet7

サウンデラックスは、簡単に言うとデビッドボックというSoundeluxというポスプロに所属していたノイマンマイクのメンテ職人がノイマンマイクのレプリカを作って一山儲けようぜってのが最初(笑)。一部に中国OEM部品を使ったたりしてコストダウンしつつも大事なところはしっかり選別部品で締めてNuemannを知り尽くした調整技術で最高状態のノイマンに様に仕上げちゃうよん。という訳だ。オールドNEVEのレプリカで有名なブレントアヴィリルとかのイメージと若干被るね。十分値段高いけど本物のノイマンに比べると安い訳なんでプアマンズノイマン、ビンボー人の為のNUEMANNと言う嫌味な言われもあった気がするけど、どうにも現代Nuemannよりもビンテージな香りがするあまーいトーンがあってそれはそれとして人気があるというところ。

さて、このifet 7は、すごく面白い。U87のレプリカであり、同時にU47fetのレプリカ。で、見た目はU47fet。んー?意味分かりませんね。前面にあるトグルスイッチで切り替えでU87、U47fetを切り替えられる。なんでもU87とU47fetは内部回路が少し違うだけで他はカプセルからほとんど同じものだそうで、ノイマンマイクを知り尽くしたデビッド氏はじゃあ違うところだけ切り替えにして一緒にしちゃえばイイジャンと電球がついちゃった訳です。そして連鎖で電球ついてしまったのがお金の無い私。あー1本でいいんだ、と(笑)。俺達安直ズ。

フツーにU87、U47fet用途同様に使うので歌録、生ギター、ベードラ、ダブルベースの前置いて良い結果がでます。前述の通りビンテージNuemannな香りがしますのでリッチで太い音が必要な時は大抵これでうまく行く訳です。

そんなすばらしいマイクことSoundelux ifet7は絶版です。昔はゆってもレプリカなんでーと安く売られていましたが昨今はすげーいいマイクであることがバレて入手が非常に困難でまず手に入れることはできません。、、、しかーし。自分も壊れたら困るなあと思ってデビットボックにメールしたらば、Bock Audio名義でifet7をまた作ったとさ。話は前後したけども現在SoundeluxはBock Audioとして独立リニューアル。旧Soundeluxマイクの修理サポートも引き継いでノイマンレプリカを作っているのでした。

チャイナで同様のことが行われていたらと思うと恐ろしいほどゲスなことをしているDavid Bockですが、彼の技術とセンス、アイディアにはみんな感謝しているのです(笑)。

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