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ファットチューズデイサウンドのブログです。

equipments review

MANLEY SLAM!

マンレー社のスラムです。スラームと言うべきか。レコーディング機器に興味のある方の間ではご存知のMANLEY社の最高級TUBEアウトボード。数多ある2chアウトボードの中でもトップクラスに高い機器。印籠がごとき平伏すことに値する物。

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種類としてはマイクプリ+ADDA(オプション)+OPTコンプ+FETコンプ、リミッターになります。

用途?としてはもちろん録音。ややこしそうに見えるけど遅いOPTと速いFETといった感じを認識できれば適当にレベル合わせてコンプで叩けばドシロトでもいい音で収録できます。なぜかっつーとクソ高いくせに発想はほぼギターのエフェクターだから。基準はナチュラルないい音か突っ込んでカッケー音かを好きにするだけ(笑)。ノリ的にはNEVEに通じる感じありますね。

んで?はLINEやADC入力にして2MIXのマスター段に使うか、マスタリングで使うか。考え方としてはOPTでナチュラルに音圧を稼ぎ、FETでたたく。基本ですね。
ポイントはここでFET段のリリースにCLIPというイカした設定があることです。

こんなニッチなブログを見ている皆さんは(分業を確立できているまっとうなMIXエンジニア諸兄以外?)、音圧アゲアゲのエセマスタリングなんかはご自身でされていると思います(笑)。そんな際、L2、OZONE、VintageWarmerなどのデジタルブリックウォールリミッター、使われていますね。0dbにデジタルクリップさせながら押さえ込むそれです。
このSLAM!はそんなチンケなデジタルのクリップサウンドで音圧稼ぐならもっと気持ちいいクリップサウンドのブリックウォールリミッターをアナログで作ってやんよ。と、いうムチャ振りを3,4年だか掛けて作った大変男気あふるる機器なのです。
音はそらーそのために年月掛けて作っただけあってマジ、んっぱねーです。曲が気持ちいい音信号の塊になっていく様は過度の音圧は不本意なれどいい感じ(泣)。アナログなので完全にピークを抑えきるきることはできませんがこちらも反則技はいろいろあるのでほぼそのイメージのまま0dbに抑えられます。

そんな訳でこのSLAMはまさしくデジタル全盛に世に対するアナログ機器のプライドをかけて作られたスーパー音圧アゲアゲマシーンなのです(笑)。

Mackie Control Universal

みんなの味方Mackieの汎用MIDIコントローラ。一見ミキサーのようですがコンピュータ上DAWソフトを本物のレコーダーやミキサーのように触ってコントロールするものです。“便利”以上に精神的に良い機械。つまり音楽に良い機械?

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フィジカルコントローラーとも言いますね。結構昔からあるのでこの手の機器に興味がある人にとっては定番と言っても良いかもしれない。そして一般的認識として意外と値段が高く、贅沢品とされる(笑)。なぜかってーと本機が無くてもマウスで画面上のミキサーをちゅーちゅー動かせばミックスは出来るし、これを使うことで特別音がよくなる訳でもないから。

気分や勘定を足し引きできる日本のエンジニアはマウスだけでミックスする割合は高いらしい。それでも素晴らしいミックスができる日本のエンジニアはやはり優秀、かつエコ(笑)。冒頭、話はずれましたがそんな位置づけあまり間違ってないと思います。

さて、そんな贅沢品、自分が欲した理由はなんとなくこんな感じ
1、只でさえ密室で作業しているのにマウスとキーボード、PC作業感満点の密室感がイヤ。
2、フェーダーとEQを同時に動かしたかった。
3、モニタ画面を見ないで調整できる。
4、立会いミックスしている時に直接クライアント触らせることが出来る。

1、はそのまま。DAWでの制作は顕微鏡とピンセットでミックスしてるみたいでイライラするのですよ。音楽ミックスがパズルゲームみたいになったらイヤじゃない?そうゆう音楽もあるけども。

2、はNocturnとの組み合わせで出来るようになったのですけど、かなり幸せです。これが出来るならアナログ卓無くても我慢できるなぁ。2つのことを同時する行為、AB型にとってはアドレナリン出ることなのですよ。

3、度々言ってる気がするけど画面を見ながら音決めするのって無駄な情報が多すぎて音や音楽にはよかないので。

4、はイメージを語ってもらうより速い。やっぱり。現代ミックスはフェーダー上げ下げするだけじゃ収まらないこと多いけどやはり基本だし誰でも触れる。

ざっと思い付くことはこれくらい。まとめてみると音楽に集中できる感覚割合は増えてるかな。それにしても、正直かくゆう私も当初この機械でこんなに幸せになれるとは思ってなかった!

Mackieには再びあっぱれさしあげます。

RCA 44BX

RCAの1920年代だか30年代だかのリボンマイク。骨董品?かと思うよな、いでたち。ウチのものじゃないけどご縁があって試してみましたよー。すげーのだコレが。

リボンマイクって種類のマイクがあって。コレは大変薄い金属皮膜を振動させ、音を電気信号にうんぬん、、、ん?専門じゃないぞ。“リボンマイク”とか“ベロシティーマイク”とかで勝手に調べてくださいね。
ようはマイクというものがこの世に発明された初期のころから存在する機構のマイクなんですわ。

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これはそんな時代の超超超超高級なマイク。
音楽たのしい♪バンドやろうぜ!なんてレベルのものでは無く、録音行為自体が軍事機関、メディア、プロパガンダ機関の最先端テクノロジーとされていた頃のものですので私らのこずかいで買えるマイクとは比較にならないことは出自履歴からでもわかります。

そんなマイクの音なんですが、率直言って史上最高水準のマイクのひとつと言えます。ひたすら濃厚、濃厚、農耕 いや、濃厚。そりゃ私、新人類とゆとりの間世代ですから好み♪とか無責任ごとは軽く言えますがそろそろ詭弁はやめましょ。ジャンルとか関係ないから。
300年以上前からいい音というのは中低域の質と決っとるのです。
つまりコイツは超一級品です。

まず驚くのがMONOで録音してもLRスピーカー全部が音像で埋まる。MONO録音しか存在しなかった頃のマイクだからというのはありますがこれは回路や部品が本当によくないと絶対におきない。例えば、およそ5万以下のシナ製コンデンサーマイクと某002のマイクプリで収録された場合、音像は“点”です(笑)。リボンマイクということも相まって自然、ナチュラル、それ以上に自然、現実以上の現実感。

ノイズは現代マイクよりもちろんあるけどSN比も勘違いしちゃいけない。
ICコンデンサーマイクとは違いそのノイズ自体が気持ちいい。
MOOGのノイズ波と国内R社のノイズ波では質が違うと言えばわかるかな?
50年代USフェンダーとフェンダーJのノイズの質の違いと言えばわかるかな?
そーゆー違い。SN比と品質は無関係。

リボンだし、昔の機械なのでトーンはダーク。
でもEQでハイをあげるとすごく気持ちいい、高域もしっかり収音されてる。
フツウのモダンレコーディングでも余裕で使えます。

ちなみに本機はヴィンテージゆえ取り扱いは繊細、当然値段もサクっと買えるようなものではないですが、いつかこれだけでロックやジャズをレコードにしてみたいもんですなー。ほしいなー。

たいへん勉強になりやした。

PS
回覧板です。
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Aurora Audio GTP8

Aurora Audio GTP8。多分日本で初めて導入されたウチの真打8chマイクプリアンプ。トドメは、刺すのが"やさしさ"。人にも、自分にも。

はい、これはデッドストックのオールド NEVEです。と、音だけ聴いたら全員騙されます。

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NEVEって何?言う人はさておき、ほおって置き。Neve(人)が立ち上げた1073などの作っていたNEVE(会社)の時代にNeve(人)の元で一緒に設計してたGeoff(人)がいて。Neve(人)がいなくなった名前だけのNEVE(会社)にそのまま残りNEVE(会社)の音を守った?ある意味Neve(人)よりオールドNEVE(音)にゆかりのある方が、世にはびこるNEVE(設計)のB級コピー製品や、異常に高騰したオールドのNEVE(物)を憂いて、現在NEVE(会社)でも使われていないNEVE(音)を決定付ける、マリンエアートランスをこっそり入出力搭載させて至極反則に作ったNEVE(設計)タイプのマイクアンプがこのAurora Audio GTP8なのです。

あー、ニブニブうるさい。

私、関係ないから言っちゃったけどマリンエアトランスに関しては契約上は公言できないらしい。まー、マリンエアトランス自体この人設計らしいからマリンエアトランス工場にこの人がカスタムで発注すればマリンエアトランスは作れてしまう訳だ。
よって数多あるNEVEレプリカがいくらがんばっても辿りつけないNEVEのそのものの音がするのは当たり前。

本物NEVE同様、芯の部分が異常に太い。マジックで書いたみたいに音がオーディオ電気信号に張り付き、なじみ、抜ける感じがまさしくNEVE(音)。多くのレプリカはここが出ないしこれはもう流石としか言えません。

オールドのなまりきった感じは無くトーンは硬めなんだけど、ウチにはNeve(人)御大の5042テープエミュマシンがありますので組み合わせると私が、オールドスクールなみんなが、行きたかったあの70`sの世界に行けます。

やっときました。はぁ。

今年度は録ります。カッコよく録ります。宣言します。

novation NOCTURN

もともと英シンセメーカーとして有名なNovationのDAWプラグイン用MIDIコントローラーNOCTURN(ノクターン?)。コンピューターミキシングの不都合をかなり和らげてくれる幸せな一品、第2弾です。

ご存知現在のミキシングの多くにMAC、PCを都合よく利用するのはプロもアマもその中間も変わりありません。マウスを使ってのミキシングなんてサイテーってなもんで結構前からフェーダーに関してはそこそこお金払えばそこそこしっかりしたソリューションがありました。しかし昨今自分が困っているのはEQノブなのでした。

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もともと自分はDAWの歴史と共にミキシング自体スタートしてるのでマウスでコロコロするの慣れてるんですがスキル上がれば上がるほどディスプレイが邪魔になってきます。耳の前に画面上の数字に影響受けるのが煩わしい。あなたはこんなに変化させましたよってEQカーブなんて見せてくれてくれるのが煩わしい。2回言った。それくらい煩わしい。
一番つらいのが画面上のつまみやポイントをマウスで引っ張ること。自分メインはOxfordEQなんですが画面に映るあんなにでかいつまみを回せたらなーと思わされ、SONYのデジミキ中古とかに目をギラギラさせてしまう末期症状がでる始末。買う金、置く場所絶対無いくせに。

経緯はもう良いでしょう。
コレでまわせるのです。専用ソフトでとっても簡単に好きなVSTエフェクトのつまみをアサインできます。そしたらもうEQが優々楽々、喜々來來。パラメトリックEQを発明したのは(?)ジョージマッセンバーグですけど彼もパライコはつまみで回してナンボと思っているはずです。

不思議なものですがEQポイントを見つけるのが速く的確になるのですよ。無かったらこなせてなかったなーと言うほどの経験もあり。もちろんEQ以外でもなんでもアサインできて超がつくくらい便利。みんなに薦めたい。そんな高くないし。

難点というか希望というか。
クロスフェーダーがいらない。スピードダイヤルが思ったより使えない。
EQにアサインする場合つまみ8個ってのがちゅーと半端。
倍の16個仕様で大体ほとんどのEQがページめくらずに済むかな。18だと完璧。
あまり使わないプラグインだとどこにアサインしたか忘れてしまう(泣)。
いずれにしてもかなりの便利ぐっつなことには変わりは無し。

これ書いててやっぱ耳で聴く事&耳の経験値が大事だなと。
視覚を比べた時の聴覚の繊細さとか考えると
スピーカーの間にディスプレイを置かないスタジオやミキシングエンジニアって信用していいと思うな。
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